地方の多くの地域において、生活サービス施設は不足している。
非常時における対応力の確保には地域の地力が求められる。
本計画は稲敷郡阿見町に位置し、同様な状況におかれているエリアの中で、建物用途と地域特性を生かし、新しいローカルネットワークの創出を促す建物です。
県道に面して開けた敷地に、小さなランドマークとなるべく建築している、目立ち過ぎず、馴染み過ぎずに、道路からの正面性や、背景となる林とのコントラスト。
そして、印象に残る建物形態を意識している。
利用者や地域の人々が、形態や空間を感覚的に捉える事が出来るように建築プログラムを組上げている。
整骨院に求められる細かな機能をオブジェクト化しそれらの空間をスタッキングする、そうして生まれたオブジェクトの間の空間も取り込み建物の外形をかたどっている。そうする事で機能ごとに空間は整理され場所が明確化される。物(オブジェクト)と物(オブジェクト)の間に体を滑り込ませて行くと、建物の奥へと導入される。
そして、物(オブジェクト)と物(オブジェクト)の間の空間は滞在者へ一定の安心感を与え、人が留まれる状態を作り出している。
必然的にこの場所で行われる日常のサイクルによって、このエリアの地域力が向上します。
この建築がここにあること自体が有事に対する備えなのである。